【息子に捧げる】♪幸福論/椎名林檎
彼と出会って2ヶ月。
(まぁもっと前から見てたけどね)
頭の中はiPhoneのカメラロールを見ての通り、彼一色。
どうしたら笑ってくれるかな?嫌な思いしていないかな?
気づけば彼のことばっかり考えてる。
夜中だっていつだって彼が呼べば飛んでいくし、そのせいで睡眠不足になろうとへっちゃらなんだ。
彼は私のことどう思ってるんだろう。
話しかけても基本うわの空。不満があればすぐ暴れて、ご機嫌な時だけ気まぐれに笑顔を見せる。
私は欲望を満たすだけの都合のいい女なのかな。
そもそも他の女と区別ついてるのかどうかもあやしい。
でもそんなのどうだっていい。
大げさじゃなく、1日1日、彼が生きていることが嬉しい。
彼の置かれていた場所や脱がせた衣服をさわっては、
(はぁ・・・発熱している・・・生きてる・・・)
と感動してしまう。
生きているという真実だけで幸福なのです。
ん?このフレーズは・・・!
幸福論/椎名林檎
いまや大御所感漂う国民的アーティスト、椎名林檎のデビュー曲「幸福論」。
結婚式のBGMで使ったな。
これまでは、「君」を一途に想う重めな女子が歌うラブソングだと思っていた。
しかし息子と暮らしてから改めて聴くと、
うわぁ今めっちゃしっくりくる…!!ということに気付いた。
という話です。
時の流れと空の色に何も望みはしない様に
素顔で泣いて笑う君にエナジィを燃やすだけなのです
時の流れと空の色に何も望みはしない様に
素顔で泣いて笑う君のそのままを愛している故に
あたしは君のメロディーやその
哲学や言葉、全てを守り通します。
君が其処に生きているという真実だけで
幸福なのです。
これはまさに、我が子の幸せを願いせっせと奉仕活動に勤しむ、親から子へのラブソングではないか。
今どんなにエナジィ燃やしたって君の記憶には残らないし、その先もごうごうと燃やせば燃やすほど疎ましがられ、いずれ離れていくのがわかってる。
一方通行の切ないラブだぜ・・・
時の流れと空の色に何も望みはしない様に
幸い今のところ産後クライシス的な不仲はなく、夫のことは変わらず大好きだ。
家事や育児にも協力的だし理想のパパをやってくれている。
けど、さすがに何も望みはしないって境地には達することはできない。
先日久々に家に帰ったら産前に買ったニラがヘナヘナ冷蔵庫でへばっていて、これくらい捨てといてよ・・・とかね、つい思ってしまう。
哲学や言葉、全てを守り通します。
今は哲学も何もないし、言葉も「あぅ~…」「ふぅ〜…」とかしか言わない(この脱力したクーイングの声が悶絶するほど可愛い!!!)。
これから成長したら自分なりの考えを持って、理不尽なこと、生意気なことを言ってくるんだろう。私はその度に悲しくなったり腹を立てたりするんだろう。
しかし何があろうと、私が彼の絶対的な味方であることは揺るがない。守り通させていただくぞ。
いやしかし「母さん、おかわり」とか喋っている息子の姿、全然想像つかないな…
素顔で泣いて笑う君のそのままを愛している
夫とは8年の付き合いになるが、彼が泣いているところを見たことがない。
平成狸合戦ぽんぽこのあらすじを私に説明しながら目がうるんでいたことがあったけど、それくらい。
一方息子は泣く。泣かないほうかもしれないけどそれでも泣く。人目をはばからず泣く。
心に余裕があるときは、その様子にしばらく見入ってしまう。
尊いなと。
赤子の仕草や表情は、かなり尊い。
年下のきょうだいやペットのいる生活をしたことがない私は、はじめてこんなにむき出しの生命に直面している。
全力で乳に食らいつく様や排泄物や、スマートに生きるオトナたちが隠している動物的な部分をまじまじ見るのは新鮮である。
自意識過剰な私は恥の意識にとらわれまくっている。
だから周囲をまったく気にせずにのびのびと生きている様にあこがれに近いものを感じているのだろう(この頃に戻りたいとは微塵も思わないが)。
世界のすべてを吸い込もうとするような大あくびを見ていると清々しい気持ちになる。
考えれば考えるほど、これは夫より息子に対する気持ちにぴったりな気がする。
泣いて泣いて、にやっと笑ったーーー!!!!
かと思いきややっぱり泣いて、腕の中で揺られながら眠りに落ちる。
別になんにもしてくれない。可愛いだけしかとりえのない息子よ。
そのままを愛しているよ。母は幸せです。
価格:3,028円 |